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俊徳丸伝説

高安山麓の山畑地区は、謡曲『弱法師』や浄瑠璃『摂州合邦ケ辻』、それに説経節『しんとく丸』の題材となった“俊徳丸伝説”で名高いところです。

俊徳丸はこの地の信吉長者の子で、美しく利発な若者でした。ある時、選ばれて四天王寺の稚児舞楽を演じ、これを見た隣村の蔭山長者の娘と恋に落ち、将来を契る仲になりました。ところが、俊徳丸は継母の呪いがもとで失明し、家を追われて四天王寺境内で物乞いをする身となり果てます。これを伝え聞いた蔭山長者の娘は、四天王寺に俊徳丸を探し求め、ようやく見つけ出して共に観音菩薩に祈ったところ、病は癒え、二人は夫婦となって蔭山長者の家を継ぎ、幸せに暮らします。一方、山畑の信吉長者の家は、信吉の死後、家運急速に衰え、ついには蔭山長者の施しを受けるまでになったといいます。

俊徳丸にまつわる伝承は、謡曲や説経節の題材になったことからもうかがえるように、かなり古いものであるらしく、室町以前、すでに一般に流布していたようです。

山畑地区には、今も『俊徳丸鏡塚』と呼ばれている塚があります。本来は、高安古墳群に含まれる古代の横穴式石室墳であるということですが、いつの時代にか、俊徳丸の伝説と結びついたようです。

また、俊徳丸が高安の里から四天王寺へ通った道筋が、今に残る俊徳道だといわれています。

◆資料(書名のアイウエオ順)

書名 著者(編者) 出版者(出版社) 出版年
俊徳丸鏡塚・箸塚・順教尼考(大阪春秋81) 足代健二郎 大阪春秋社 1995
俊徳丸物語の展開(文化財講座記録集5) 棚橋利光 八尾市文化財調査研究会 1998
河内の伝承考
1-謡曲のなかの俊徳丸伝説(河内どんこう60)
堀井建市 八尾文化協会 2000
身毒丸(折口信夫全集27) 折口信夫 中央公論社 1997
説経節 荒木繁 山本吉左右 平凡社 1973
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