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弓削道鏡

弓削道鏡といえば、孝謙(称徳)女帝の寵愛をよいことに僧侶の身でありながら位人臣を極め、挙句には皇位さえうかがった稀代の悪僧というイメージが一般的です。

しかし、近年こうした悪評を疑問視する声も多くなっています。道鏡を失脚させたのは藤原氏であり、道鏡大悪僧説の出所である「続日本紀」は、藤原色の濃い史書であるからです。そこに明治以降の皇国史観が加わり、“極悪人道鏡”というイメージが定着し、ほとんど修正されないまま今日にいたったというのです。

道鏡生誕の地である八尾にも、単なる身びいきではなく、時代や個人の置かれていた状況を見極めたうえで史料にあたることで、道鏡の復権をはかろうとしている人々がいます。植松町の山野としえさんが主宰する「道鏡を知る会」は、全国の道鏡顕彰団体と交流を持ちながら、名誉回復に向けて地道な歩みを続けています。また、山野さんは、自作の小説「真実不虚-高僧弓削道鏡-」の中で、自身の信念に基づいた道鏡観を展開されています。

難解な仏典やサンスクリット語に精通した第一級の知識人であったという道鏡、その彼を“道鏡さん”と親しげに呼ぶ人が、八尾では着実に増えているようです。

◆資料(書名のアイウエオ順)

書名 著者(編者) 出版者(出版社) 出版年
宇佐八幡宮の歴史と道鏡事件①八幡神と古代国家
(河内どんこう82)
棚橋利光 やお文化協会 2007
お金の側面でみる「弓削道鏡と楠木正成」(河内どんこう52) 佐々木宏之 やお文化協会 1997
最後の女帝孝謙天皇 瀧浪貞子 吉川弘文館 1998
女帝と道鏡-天平末葉の政治と文化 北山茂夫 中央公論社 1991
真実不虚-高僧弓削道鏡 山野としえ 私家版 1989
戦前教科書に現れた道鏡像(河内どんこう26) 本田義幾 やお文化協会 1988
争乱と謀略の平城京-称徳女帝と怪僧・道鏡の時代 小林惠子 文藝春秋 2002
弓削道鏡 今東光 文藝春秋 1960
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