テーマ別関連資料の紹介
河内木綿
江戸時代から明治時代にかけて、河内地方で広く栽培されていた綿から手紡ぎ、手織りされた綿布は、山根木綿(高安山麓)、久宝寺木綿、三宅木綿(松原市)などの名で知られていました。これらを総称して「河内木綿」といいます。
河内地方では、16世紀末頃から綿作が行われていたようですが、その生産が飛躍的に伸びたのは、1704年の大和川付け替え以後のことです。旧川床を利用した畑は、砂地で水はけがよく、綿栽培に最適だったためです。当時の綿は繊維が短く、従って糸が太いため、織りあげた布地も厚くて耐久性にすぐれていました。庶民の普段着のほか、のれん、のぼり、蒲団地、酒袋などに利用され、全国各地で愛用されました。
しかし、明治に入り、機械化による安価な紡績糸や化学染料が出回り始め、輸入綿の関税が撤廃されると次第に姿を消していきました。
長い間忘れ去られ、まぼろしとまでいわれた河内木綿ですが、近年、河内木綿を愛する多くの人々の手によってその技術が復元・継承されています。2003年、ロシア国立エルミタージュ美術館で「河内木綿特別展」が開催されました。NPO法人河内木綿藍染保存会が中心となって復元した作品や、八尾市の旧家に残されていた資料などが展示され、訪れた多くの人々を魅了しました。河内木綿は、郷土の誇る伝統工芸として新たな脚光をあびているのです。
[綿の実]
資料(書名のアイウエオ順)
書名 | 著者(編者) | 出版者(出版社) | 出版年 |
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日本農書全集 第8巻(家業伝) | 木下清左衛門 | 農山漁村文化協会 | 1978 |
河内型絵 河内木綿と藍染 | 村西徳子 | 徳子工房 | 1994 |
河内の手織機 | 八尾市立歴史民俗資料館 | 八尾市教育委員会 | 2001 |
河内木綿 文様と藍染の美 | 村西徳子 | 藍工房村西 | 2009 |
河内木綿 歴史と資料 | 八尾市文化財調査研究会 | 八尾市文化財調査研究会 | 2007 |
河内木綿を語るシンポジウム | 八尾市郷土文化推進協議会 | 八尾市 | 2001 |
「河内木綿親と子の体験学習会」の取り組みについて (八尾市立歴史民俗資料館研究紀要13) |
李煕連伊 | 八尾市立歴史民俗資料館 | 2002 |
河内木綿関係資料集1 河内の綿作りと木綿生産 |
八尾市立歴史民俗資料館 | 八尾市教育委員会 | 2002 |
河内木綿史 | 武部善人 | 吉川弘文館 | 1981 |
河内木綿とともに生きて 寺尾和一郎さん(河内どんこう70) |
棚橋利光 | 八尾文化協会 | 2003 |
河内木綿と大和川 | 山口之夫 | 清文堂出版 | 2007 |
河内木綿の販路 | 棚橋利光 | 八尾市史編纂室 | 1982 |
河内木綿譜 | 辻合喜代太郎 | 西武百貨店 | 1981 |
縞帳 河内・大和 | 辻合喜代太郎 | 八尾市史編纂室 | 1976 |
木綿 | 浅井一甲 | 工房一甲 | 1984 |
ロシア国立エルミタージュ美術館 河内木綿特別展図録 |
ロシア国立エルミタージュ美術館 河内木綿特別展委員会 |
ロシア国立エルミタージュ美術館 河内木綿特別展委員会 |
2003 |