テーマ別関連資料の紹介
河内音頭
八尾で河内音頭といえばまっ先に思い浮かぶのが、常光寺の境内で行なわれる地蔵盆踊りの音頭です。「八尾の流し」と呼ばれるこの音頭は、ゆったりしたテンポで素朴な味わいがあり、室町時代初期の同寺再建の折り、都から材木を運んだときの「木遣り音頭」が元歌だと伝えられています。
一方、終戦直後に生まれた「浪曲音頭」から出発した現代の河内音頭は、村井市郎氏(河内音頭研究家)によると、北河内地方に江戸時代から伝わる「交野節」が源流のようです。この交野節を改良した「歌亀節」が明治の中頃、中河内を経て大阪市内の演芸席に進出すると、同時期に近江から流入した「八日市祭文音頭」と区別する意味で、それぞれ河内音頭、江州音頭と呼び分けられるようになったそうです。その後、大正年間に、大阪市平野の初音家太三郎らが、歌亀節を改良した「平野節」を編み出します。そして戦後、初音家源氏丸がこれに浪曲の「あんがら節」のリズムを取り入れるなどさらに改良を加え、浪曲音頭が誕生、これがジャズやロック、ラテン音楽まで取り込んだバイタリティー溢れる現代の河内音頭へと発展していきます。
また、そうしたなかで、古い歴史を誇る常光寺の盆踊り音頭は、「流し節正調河内音頭」と称され、保存会の人々の熱意と努力により、次世代への保存・継承がはかられています。
資料(書名のアイウエオ順)
書名 | 著者(編者) | 出版者(出版社) | 出版年 |
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音頭ボーイ | 河内家菊水丸 | ヨシモトブックス | 2008 |
河内音頭の踊りについて(河内どんこう21) | 脇智子 | やお文化協会 | 1985 |
河内音頭の歴史 上(河内どんこう2) | 長船太郎 | やお文化協会 | 1976 |
河内の音頭いまむかし | 村井市郎 | 八尾市役所 | 1994 |
河内の音頭名鑑 | VOX編集部 | ヴォクス | 1995 |
流し節正調河内音頭と常光寺(あしたづ5) | 西川禎昭 | 河内の郷土文化サークルセンター | 2003 |
八尾の伝承とうた | 森田康夫 | 八尾市立図書館 | 1989 |