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安中新田会所跡旧植田家住宅

1704年の大和川付け替え後、旧川床を利用して多くの新田が開発されました。そのうちのひとつが安中新田です。柏原市の安福寺が開発の中心であったために「安中新田」という名がついたと言われています。開発から50年ほどたった頃、安福寺住職の類縁にあたる植田家が管理を任されることになり、その後150年の長きにわたって新田の支配人を勤めました。

植田家が居住していた屋敷は、会所としても使用されていました。「会所」とは新田の管理に使われた建物のことで、地域の寄り合いの場も兼ねていました。八尾市内のほかの新田会所(山本新田会所、柏村新田会所)が現存しない一方で、植田家の屋敷は増改築を繰り返しながらも、昭和60年代まで実際に使用されていました。

歴史的遺物である植田家の屋敷が、土地、所蔵資料とともに八尾市へ寄贈されたのは、2005年のことです。一般公開にむけて行われた調査での最大の発見は、「安中新田分間絵図」でしょう。絵図はタテ約1.5メートル、ヨコ約6.5メートルに及ぶ巨大なもので、正徳元年(1711年)との記載があり当時の様子を今に伝える貴重な資料です。絵図は市指定文化財に、建物の一部は国登録有形文化財であると同時に市指定文化財になりました。

修復・整備を経て、書画や工芸品、河内木綿などの所蔵品とともに旧植田家住宅は一般に公開されています。


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資料(書名のアイウエオ順)

資料について
書名 著者(編者) 出版者(出版社) 出版年
植田家を語るものたち 関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター 八尾市教育委員会 2009
八尾安中新田植田家の文化遺産 関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター 関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター 2007
安中新田会所跡旧植田家住宅 八尾市教育委員会生涯学習部文化財課 八尾市教育委員会 2009
安中新田会所跡旧植田家住宅について
(河内どんこう89)
宮元正博 やお文化協会 2009

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